本稿でも記載させていただきましたが、ここで編む時の注意事項を。表編みをする時の最初に右針を左針の目に入れた時に、その目を右針で手前に少し押し広げるようにします。そして左針から(編んだ後の)目を外す時に、左手の指に掛けてある糸を軽く引く程度にして、編んだ目を強く締めないように(少しユルめに)する事が重要です。
表編みとウラ編みの後でご説明しますが、くつ下を編む上では、途中で目数を減らしたり増やしたりする作業があります。こうした作業をする時に、編んである目がキツいと、そうした作業がやりにくくなってしまいます。また編み間違えたりして後戻りするような時にも、編んだ目がキツいと修復の作業もやりにくくなってしまいます。
一旦癖がつくとそれを矯正するのは意外に簡単ではないので、最初からキツく編まないやり方に慣れる事をお勧めします。私はついキツめに編んでしまう癖がありますので、常に「ユルめにユルめに」と思いながら編んでおります。
右針を左手の針の目に入れた時に目を押し広げるようには普通にできるのですが、ついつい左手の指に掛けてある糸が引っ張られてしまったりします。糸が指(特に小指の上側部分)をすべる時に、摩擦で糸が小指の上側に引っかかるようになってしまって、結果的に編んだ目を引っ張るような感じになってしまう事もあります。なるべく編んだ目がキツく締まらないように気を付けていただく事をお勧めします。
逆に女性の場合には緩く編みがちになってしまう方もおられるようです。キツ過ぎるのと同様に、ユル過ぎるのもあまり良くないようです。緩く編みがちな方は、目を編んだ後で左手の各指に掛けた糸を軽く引っ張るようにしたら良いのかもしれません。どちらにしても「過ぎたるは及ばざるがごとし」です。キツくもならず緩すぎる事もなく、少しユルめぐらいの感じで編めるようになってください。