コラム4のように、ウラ編みでの減らし目の時に逆の編み方をするとどうなるのかも、ご説明させていただきます。
表編みの時と同じような台形ですが、こちらは裏編みで向かって右側の目を減らしたものです。下半分は正しい編み方である目を入れ替えるウラ編み2目一度(ウラ編みの右上2目一度)で目を減らし(赤い矢印の部分です)、上半分は(正しい編み方ではない)ウラ編みの単純な2目一度(ウラ編みの左上2目一度)で目を減らしたものです。
これも表編みの時と同じように、傾斜部分の下半分は表編みが2列に並んでいるように見え、上半分は表編みが1列だけ続いているように見えると思います。そのため、セーター等の「着るもの」の場合には、編み目の違いが目立つ場合があります。
がしかし、くつ下のように細い糸で編む場合には、その違いは目立ちません。下の写真をご覧下さい。
これはくつ下のカカト部分だけを編んだものです。下半分は正しい編み方である「目を入れ替えるウラ編み2目一度(ウラ編みの右上2目一度)」で目を減らし、上半分は(正しい編み方ではない)「ウラ編みの単純な2目一度(ウラ編みの左上2目一度)」で目を減らしたものです。しかしながら太い糸で編んだ時と異なり、編み目の違いはほとんど分からないと思います。
私は最初の頃、「目を入れ替えるウラ編み2目一度(ウラ編みの右上2目一度)」が苦手でした。目を入れ替える作業が面倒で煩わしかったですし、時々編み目が針から外れてしまったりしたからです。この部分になると、結構ストレスを感じました。きっと編み物の経験のない方の中には、そういう方もおられるのではないかと思います。
全て正しい編み方で編める事に越した事はないのですが、くつ下を編む場合にもし途中で減らし目のやり方を間違えてしまったり、「目を入れ替えるウラ編み2目一度(ウラ編みの右上2目一度)」が苦手な場合には、気にしないで(表編みでもウラ編みでも)「単純な2目一度」でやってしまうという方法もあります。見ていただいた写真のように、細い針と細い糸で編むくつ下の場合には、編み間違いはまず目立ちません。
正しくできないと嫌になって途中でやめてしまいたくなりますが(私はそうでした)、「間違えてもいいや」と思えば、そのまま気楽に編む事ができます。セーターなどは編み間違いが目立ってしまいますが、くつ下は目立ちませんので、次善の策としては「あり」かなと思います。苦手でも続けていれば、そのうちちゃんと編めるようになりますし。私の個人的な考えではありますが、ご参考まで。