透かし編み
ここからはつま先部分に通気口を設ける編み方をご紹介させていただきます。この編み方は「透かし編み」という編み方で、本来は模様編みのための編み方です。しかしながら私が最初の頃にこの透かし編みを入れたもの(確か女性用のカチュームだったと思います)を先生から教わった時に、「これはくつ下を編めるようになった時に使おう」とずっと思っていました。下の写真をご覧下さい。
このように通気口を開けると、くつ下を履いた時の蒸れる感じを少し軽減する事ができます。透かし編みはさほど難しいものではありませんので、ご説明させていただきます。
透かし編みは、2目一度と掛け目が連続する編み方です。しかしながらこれまで私がご説明させていただきました、2目ゴム編みを止める時の掛け目と少し異なります。「16. 2目ゴム編みと止め方」の掛け目の時にも、「これは2目ゴム編みを止める時の掛け目であって普通の掛け目とは異なります」と申し上げました。動画も併せてご覧ください。
① 透かし編みの時には単純な2目一度をして
② 糸を手前側に持って来て
③ 向こう側に向かって糸を掛けます。
このように、単純な2目一度と掛け目を1セットとして繰り返します。
このように「単純な2目一度・向こう側に糸を掛ける、単純な2目一度・向こう側に糸を掛ける、・・・・」と連続させると、通気口を設ける事ができます。ただつま先部分は段によって目数が異なりますので、ご自分のサイズでくつ下を作って通気口を設ける時だけは、部分的な編み図を作られる事をお勧めします。
なお掛け目は1目と数えます。従って「単純な2目一度をして掛け目をする」と、目数的には2目編んだのと同じ事になります。
編み物の本を見ると、先に掛け目をしてから2目一度をするやり方もあるようですが、その場合の2目一度は単純な2目一度ではなく、「(目を)取って、編んで、かぶせる2目一度」が正式な透かし編みのやり方のようなので、より簡単にするように「単純な2目一度+向こう側に向かって糸を掛ける」というやり方でやっております。
細い糸と細い針でくつ下を編みますので、正直なところどちらでやっても見た目の違いは分かりませんが、皆様がこの先人目に付く「着るもの」を編まれる際に透かし編みをする時に、混乱が生じないようにご説明させていただきました。
参考までに、通気口を設けた場合の左足の編み図と右足の編み図と、つま先を左右対称にして通気口を設けた場合の編み図も載せておきます。
編み図で見ていただけます通り、それぞれ15段目、19段目、23段目で透かし編みをして、通気口を設ける事になります。それぞれの場合の編み方も、この後で文字(言葉)で記載させていただきます。
この後は、左右非対称の左足つま先部分、左右非対称の右足つま先部分、左右対称のつま先部分のそれぞれについて、作り目(1段目)からつま先部分の終わりである24段目までをそれぞれご説明させていただきます。ただし動画や写真はなしで、文字(言葉)だけとさせていただきますので、Judy BeckerさんのYouTube動画サイトおよび公開されているブログサイト、また当ブログの投稿20から26までもご覧いただければと思います。