ここからは設計図の右側部分のご説明となります。こちらでも各部分で使う針の号数と、どういう編み方をするかを書いております。また針の号数によってペンの色を変えて、途中で針を変え忘れないようにしています。右側のページ全体を、改めてご紹介しておきます。
つま先部分の編み方の略図を作る(「1. つま先」)
ここでは設計図の左側の「(4)の①」部分だけを書いています。上の段はA針で編む事としており、下の段はB針で編む事としています。
最初の「18」は、作り目が18目である事を表しています。私の手書きの写真ではそれぞれの数字に「✖」印が付いていますが、この部分は同じ目数が2段ずつとなりますので、1段編んだら(増やし目をしたら)「/」とし、その目数で次の段を編んだら「✖」としてシャープペンで印を付けております。
作り目の「18」からは「20、22、24」と2ずつ数が増えていますが、これは「両側で1目ずつ増やし目をする」事を表します。「25」から「30」までは片側だけ増やし目をしますので、数は1ずつ増えています。目を増やす数の違いを分かりやすくするために、「24」と「25」の間には点線を書いています(画像では点線になっておりません。技術的な不備としてご容赦ください)。
上の図では「(外増し)」と書いてありますが、これは左足部分を編む時には「(A針の)外側で目を増やす」事を表します。右足部分を編む時には、このカッコの部分を「(内増し)」と消して書きかえております(フリクションボールは簡単に消して書き替える事ができて便利です)。
甲部分の略図を作る(2.甲部分)
ここでは設計図の左側ページの「(4)の③と④」部分だけを書いています。一番左側部分は最初の2段は30目で、そのあと1段で2目ずつ減らして26目にするのですが、単に赤字で「30目→26目」としています。
真ん中は2目ゴム編みの「(4)の④」部分になります。そして一番右側は、カカトの前半に入る前に5段を「MIX」編み(A針はメリヤス編み、B針は2目ゴム編み)とする事を表しています。
この部分はほとんど同じ目数で編む事になり、単に編んだ段数を「正」の字で記録できれば良いので、小さいスペースにしています。
カカト前半部分の略図を作る(3. カカトー1)
ここは「47. カカト前半部分の段数を決める」の冒頭ところでご紹介させていただきました略図的なものを書いています。ここでこのような略図を書いておくと、次のカカトの後半部分の1段目と2段目で残す目数をすぐに計算できて便利だと思っております。
左から1番目と3番目(赤枠で囲っていない部分)はA針で編む部分(カカト側)で、赤枠で囲った2番目と4番目はB針で編む部分(甲側)を表します。
A針で編むカカト側の、左から1番目は両側で目を増やして編み、左から3番目はその次の段になるので、同じ目数で編むことを表しています。
B針側は甲側(2目ゴム編み部分)なので、全ての段で編む目数は同じ26目となります。
カカト後半部分の略図を作る(4. カカトー2)
カカトの後半部分はなかなか全てを記憶できないので、特に1段目から4段目まではこのように都度文章的に書いております。2段目以降には、その段で編む目数(すべり目は目数には入れておりません)を書いております。このくつ下の場合、2段目は1目すべらせた後で7目編むと左針に19目残るようになるため、「(7目)」と書いてあります。
これはその右側の式を見ていただけば分かります通り、「(1段目で)25目編んでから2目一度をして更に1目編んでいます」ので、そこまでが終わると右針には27目残っている事になります。2段目を編むために「ひっくり返す」と、それまでの右針は左針になります。そして数えないすべり目と、残す19目を27目から引くと7目という事になります(ここは各段での編む目数を間違えないための、自分用の計算確認部分です)。
編む目数が変わるだけで3段目・4段目以降の編み方は3段目・4段目と同じになりますので、3段目と4段目だけ文章的に書いております。
基本的には3段目以降は(表編みとウラ編みの違いはありますが)、「1目すべらせて、(前の段でやった)すべり目の手前まで編んで、2目一度をして、もう1目編む」の繰り返しとなりますので、⑤以降は「(1目すべり目をした後で)何目編むか」だけを青字で書いております(最後の2目一度ともう1目編む部分は、数字には含んでいません)。
3段目以降は、各段で編む目数は17段目まで1目ずつ増えていく事になります。17段目を編み終わると、左針には目は残らなくなります。そしてひっくり返して18段目をウラ編みで編むと、(最後に残った3目のうち2目を目を入れ替える2目一度としてもう1目編むと)26目編む事になります。ただし1目めと最後の2目一度と1目を除くと23目となりますので、「⑱23目」と書いています。
⑳部分は意識しないとついメリヤス編みで編んでしまいますので、2目ゴム編みとする事を忘れないように書いております。
なお2段目以降の偶数段は「目を入れ替えるウラ編みの2目一度(ウラ編みの右上2目一度)」となりますが、コラム5でご紹介しましたように、細い糸と細い針で作る靴下なので、単純な(ウラ編みの)2目一度としても見た目的な問題はありません。私も時々目を入れ替える2目一度を忘れて単純な2目一度としてしまったりしますが、気にしないでそのまま編み進めてしまっております。ご参考まで。
私は編む時の目数にすべり目を含めておりませんが、一般的にはすべり目も目数に含めると思います。私はすべり目を数に含めないのに慣れてしまいましたのでそのままとしておりますが、もしそれに違和感を感じられる場合には、適宜数字を修正してお考えいただければと思います。
履き口(足首)部分の略図を作る(5.足首部分)
この部分は、私はメリヤス編み30段と2目ゴム編み45段で結構長く編みますのでこのようにメモるようにしておりますが、履き口部分(外ででは「足首部分」としております)の長さはお好みで構いませんので、特にメモせずに編みながら気分で編んでいただいても問題ないと思います。ただ何段編んだかだけはメモしておかないと、もう片方の履き口部分の長さと同じにならなくなりますので、その点はご注意下さい。
この私のやり方は一般的なものではないかなとは思いますが、このやり方も参考にして、自分サイズのくつ下を編んでみていただければと思います。
このExcelシートをご使用されたい方は、このくつ下の設計図からダウンロードしてご利用ください。ただし編み図等と同様に、転載、商用複製等はご遠慮いただけますようお願い申し上げます。
斜掛け部分に数値を記入していただければ、斜掛けされていない部分は自動計算されます。
私は2種類の針を使っておりますが、もし1種類の針だけで編まれたい場合には、(2)のゲージ部分には同じ数値(例えば両方とも4号針での数値)を記入していただければよろしいかと思います。
右側のページは、サイズによって目数や段数が変わりますので、このExcelシートを参考にしていただいて適宜工夫して作ってみていただければと思います。こうした設計図を作るのは少し面倒ではありますが、編み図を作るのに比べれば(編む時には)遥かに編みやすくなると思います。