ここからはB針部分の目を休めて、A針側だけを編む事になります。ここからは単に「1段目、2段目・・・」という風に記載させていただきます。そしてこれまでとは異なりA針側だけを編みますので、奇数段は表編みとなり、偶数段はウラ編みとなります。

 これまではくつ下特有にぐるぐると表編み中心で編んできましたが、ここからカカトの後半部分だけはセーター等を編む時と同じように、奇数段は表編みとなり、偶数段はウラ編みとなります。

 ここから編み進めていくと、下の写真のように袋状に編み上がる事になります。編んでいくとこれまでと形が変わっていくので「これで大丈夫なのか?」と不安になられるかもしれませんが、下の写真のように袋状になりますので、ご安心ください。

 カカトの前半部分と同じように、参考までに後半部分の編み図もご紹介します。この図を見ただけでは分かりにくいと思いますが、カカトの後半は1段目から18段目まではA針だけで編みます。ただ最後の19段目だけはA針とB針の両方で編む事になります。

 19段目のB針で編む部分は2目ゴム編みとなりますが、これはカカトの前半部分のB針部分を2目ゴム編みとしているので、それに合わせるためになります。またこの後の履き口部分でもご説明させていただきますが、履き口部分を短くしてメリヤス編みなしに2目ゴム編みだけで編む場合に、1段分だけメリヤス編みが入らないようにするためでもあります。

 この先2段目以降は、毎回これまでには無かった「すべり目」という作業が入る事になります。またこのカカトの後半だけはウラ編みという作業が入り、ウラ編みの場合には、目数を減らすために「目を入れ替えるウラ編みの2目一度(ウラ編みの右上2目一度)」という作業も入ります。

 3段目以降は概ね同じような作業になりますが、1段目と2段目は少しそれ以降と異なりますので、まずここでは1段目と2段目の編み方についてご説明させていただきます。

 最初の4段目までは、分かりやすいように作業の1つ1つを詳しくご説明させていただきます。詳しくするために若干文章が長くなりますが、その点はご容赦下さい。説明文と写真と動画を見ていただければ、お分かりいただけると思います。

1段目(表編み) 

① まず左針に19目残るように、25目(=44目-19目)表編みします(写真と動画では、分かり易いように19目めにマーカーを付けました)。

② そして19目めと次の20目めの2つの目にまとめて左側から右針を入れ、

③ その2目をまとめて表編みします(②と③をまとめて、5段目以降は「単純な2目一度(左上2目一度)をします」と言います)。

④ そして更に次の目を表編みします。

 これで右針27目表編みした事になり、左針には16目(44目―28目)残った事になります。なお両方の針の目の合計は、43目(=27目+16目)となります。

(注:編んだ目は27目となりますが、このうち1回2目一度で目を減らしていますので、左針から減る目の数は、「編んだ事になる」目の数より1目多くなります。)

 この後の2段目、3段目、4段目は、説明が少し長くなってしまいますが、その点はご容赦いただければと思います。

2段目(ウラ編み)

① A針のままひっくり返して、

② 左針の最初の目に右針を右から入れて、

③ その目を左針から外して、すべり目をします(②と③をまとめて、5段目以降は「すべり目をします」と言います)。(この後が分かりやすくなるように、すべり目に印を付けておきます)。

④ そして左針に19目残るように、7目(=27目-1目(すべり目)-19目)ウラ編みします。

⑤ 7目ウラ編みしたら、その次の目に左側から右針を入れて、

⑥ その目を左針から外し、

⑦ 更にその次の目にも左側から右針を入れて、

⑧ その目も左針から外します。

⑨ それらの目(⑥の目と⑧の目)にまとめて右側から左針を入れて、

⑩ 右針を外して、それらの目を左針に移します。

⑪ その2目にまとめて右側から右針を入れて、

⑫ 2つの目をまとめてウラ編みします(⑤から⑫までをまとめて、6段目以降は「目を入れ替えるウラ編みの2目一度(ウラ編みの右上2目一度)をします」と言います)。

⑬ そして次の目をウラ編みします。

 これで9目ウラ編みした事になり、最初のすべり目と合わせると10目となります。とすると、前の段の左針(最初にひっくり返して編んでいるので、前の段の左針は今の右針になっています)に残っていた目(16目)と合わせて右針に26目に残る事になります(前の段の左針の残り16目+10目)。そして左針には16目(前の段の右針の残り27目―11目)残る事になります。なお両方の針の目の合計は、42目(=26目+16目)となります。

(注:「編んだ事になる目数」はすべり目と合わせて10目ですが、このうち1回2目一度で目を減らしていますので、左針から減る目の数は、「編んだ事になる」目の数より1目多くなります。)