いよいよここからはくつ下を編み始めます。「2. ブログの全体像」と「18. くつ下全体のご紹介」でご説明させていただきました通り、Judy Beckerさんが考案された「Judy’s Magic Cast-On」という作り目でつま先から編み始めます。詳しい編み方につきましては、Judy BeckerさんがYouTubeで公開されている動画「Judy’s Magic Cast-On」及びブログサイト をご覧ください。
なおJudy Beckerさんの「Judy’s Magic Cast-On」につきましては日本人の方も動画を上げておられるようですので、それらの動画であれば日本語で分かりやすくご覧いただく事もできます。YouTubeにて「Judy’s Magic Cast-On」で検索していただけば、すぐに見つける事ができます。
ここからはJudy Beckerさんが動画でご紹介されている通り、2本(かつ2種類―2種類の輪針とするのは私が色々編み比べた結果2種類としたものです)の輪針を使うやり方となります。これ以降は2本の輪針(4号と3号の太さです)を使いますが、やはりJudy Beckerさんが動画でご紹介されている通り、1本の輪針でも普通の棒針でも同じようにできるようです(私は1本の輪針では編んだ事はありませんが)。
私が使う輪針は、クロバ―社の「匠」という竹で作られた輪針です(ちなみに私は4本針も「匠」を愛用しております)。そして使う糸は、ハマナカ社のコロポックルという糸を前提とさせていただきます。なぜコロポックルかと言うと、くつ下用の糸(ソックヤーンと言われています)はあまり多くの種類が市販されていない事、比較的安価であること(1足当り、1,000円~1,200円程度の費用となります)が理由です。
なお、このブログでのくつ下はつま先部分が左右非対称ですので、ここからは左足部分の編み方となります。右足の場合には編み方が逆になりますので、右足部分は後ほどご説明させていただきます。
輪針の準備
まずは輪針の準備です。私と同じように竹製の輪針を使われる場合には、それぞれの輪針の一方に、下の写真のように油性のマジックペンで色を付けていただく事をお勧めします。私は40cmの4号針の一方を青色で、同じく40cmの3号針の一方を赤色で色付けしています。
くつ下はグルグルと輪になるように編むのですが、輪針を2本づつ使うと、まずは足裏側を編んでから、ひっくり返して足の表側を編むという感じになります。ただし最初の表編みやウラ編みの時と違って平面状ではなく輪状になるため、カカトの後半部分以外は全て表側を編むという事になります。
ですのでセーター等のように偶数段と奇数段で編み方が変わる事がない反面、常に表側を編んでいるので、ひたすら表編みで編んでいると何段目を編んでいるのか、足の裏側を編んでいるのか表側を編んでいるのかが分からなくなってしまう事があります(私は今でもそうです)。
こうした事を回避するため、私は「足の裏側を編む時は色の付いていない針(以後はA針と言います)で、足の表側を編む時は色の付いている針(以後はB針と言います)で編む」というようにしました。こうすれば表側か裏側か分からなくなった時には編んでいる針の色を見れば、どちら側を編んでいるのかすぐに分かります。また色の付いた針(B針)で編み終わったらすぐに「正」の字で編んだ段数をメモするようにしています。こうすれば、A針・B針で、ぐるりと表裏1段編んだ事が確認できます。
同じ輪針でもドイツ製の輪針だと金属製で、かつ金色と銀色のものがあります。これを使うのであればわざわざマジックで色を付ける必要はありません。ただクロバー社の竹製の輪針より重いのと編む時の滑りが良すぎるので、どちらも使ってみたのですが、私は結局クロバー社の竹製の輪針に落ち着いたというところです。
しかしながら油性のマジックで色を付けてそのまま編むと、その色が毛糸に付いてしまいます。それを避けるために私は数日乾かしてから乾拭きしたり、湿った布で拭いたりと、結構毛糸への色移りを避けるために手間がかかったりしていますし(それでもしばらくは色移りしてしまいます)、色移りしても目立たないような暗色系の毛糸で靴下を作ったりしています。これは針の違いを分かりやすくするためのデメリットになります。なおこのブログではバックを黒くしているので白色の糸を使っており、所々B針の色が移ってしまっています。この点はご容赦下さい。
Judy Beckerさんが動画では金属製の針(多分ドイツ製だと思います)を使われていますし、私の先生もドイツ製の金属製輪針を好まれていますし、これは好みの問題かなと思います。どちらでも、ご自分の好みでお選び下さい。