くつ下全体のご紹介

 「2. ブログの全体像など」でも申し上げましたが、このブログでご紹介させていただくのは、Judy Beckerさんが考案されたつま先の作り目(編み始めの事です)である「Judy’s Magic Cast-On(ジュディーの魔法の作り目)」から編み始めて、最後にCat Bordhiさんがご紹介されていますJeny Staimanさん考案による「Jeny’s Surprisingly Stretchy Bind-Off(ジェニーの驚くほど伸縮性の高い伏せ目)」という伏せ目(履き口部分を仕上げる事です)で完成させるくつ下で、私が劇的に楽に編めるようになったくつ下です。

 なお各部分での寸法(形状)は普通のくつ下とは異なっております。自分にとっての履き心地の良さを追求する中で、最もサイズ的にしっくりきたくつ下で、編み上がりは下の写真のようになります。左側は履いてもあまり目立たない黒系の糸で編み、右側はグラデーションになる糸で編んだものです。

 ご紹介させていただくくつ下は、普通のくつ下よりつま先が幅広で、甲部分(と履き口部分)を2目ゴム編みにして伸縮性を高くしました。各部分を色々なサイズで作ってみたのですが、この形状が一番自分的に気に入りましたので、以下はこのサイズでご説明させていただきます。ちなみに私がこのくつ下を編んでいると、いつも娘に「パパがつちのこを編んでいる~」と言われたため、個人的にはこのくつ下を「つっちー」と呼んでおります。

 編み図にしたくつ下(左足部分)は下の図の通りです。なお、この図は向かって右側が足裏側、向かって左側が足の表側になります。くつ下の甲部分と履き口部分は同じ編み方がひたすら続きますので、一部を省略した形の図面となっております。編み方は下の編み図のように、5つのパートに分けてご説明させていただきます。

 なお編み図等の転載、商用複製等はご遠慮いただけますようお願い申し上げます。

 「2. ブログの全体像その他」の部分でも申し上げました通り、編み方は基本的に文字(言葉)でのご説明とさせていただきますが、編み図もあった方がどんな形を編む事になるかが分かりやすくなるかと思いますので、各パートの冒頭に示させていただきます。

 なお編み上がりは左右非対称ではありますが、履いてしまえば左右対称のくつ下を履いた時と変わりません。下の写真をご覧下さい。

 上の左側の写真は、つま先が左右非対称のくつ下(赤色と紺色)とつま先が左右対称の普通のくつ下(黒色)の、履く前の写真です。上の右側の写真は、それぞれのくつ下を履いたところの写真になります。履く前の形状は異なりますが、履いてしまえば結局は足の形状と同じものとなります。ご参考まで。

編んでいただくサイズについて

 一般的な手編みの靴下は、

① つま先部分は半円形とし、

② その先は足の甲部分の周囲の寸法の90%として、

③ 足の底部分の長さは足の長さの90%とするというものだと思います。

 このブログで編んでいただくくつ下は、

① つま先部分は(足の形のように)左右非対称の形とし、

② つま先部分で一番広い部分については足の小指の周囲の寸法の約105%とし、

③ その先は足の甲部分の周囲の約75%の寸法とし、

④ 足の底部分の長さは足の長さの約90%としています(ここだけは一般的な靴下と同じです)。

 またつま先から編み始めて、足の小指の付け根部分ぐらいまでは4号針で編み、その先は3号針に変えて編んでいます。

 なおここでご説明させていただきますくつ下のサイズは私のサイズに合わせてありますので(足長25.0cm)、小柄な女性には大きいかもしれません。後ほど自分のサイズに合わせるやり方はご説明させていただきますので、とりあえずこのサイズで編んでみて下さい。逆に小さいサイズで編むと小さすぎて履けない場合があり、それはそれで残念な思いをします。ちなみに私の初作は通常の女性サイズで編んだために小さすぎて履く事ができず、とても残念でした。

 つま先部分を(足の形のように)左右非対称としているのは、単に個人的に足の小指部分に圧迫感があるのにストレスを感じていたからという理由です。普通のくつ下のようにつま先部分を半円形としても、写真で見ていただいた通り履いた際には親指側に小指側が引っ張られて左右非対称な形となってしまいますので、最初から履いた時の足の形に近い方が小指側への圧迫感はなくなります。

 また足の小指の周囲部分を実寸の約105%としているのも、同じ理由です。色々と%を変えて作り比べてみましたが、実寸より少し大きいぐらいが丁度良い感じかなと思ったので、このサイズとしました。

 足の甲部分の周囲の約75%の寸法としたのは、少しずつ小さいサイズで編み比べてみたら、一般的な約90%よりピッタリ感が得られたからという理由です。更に足の甲部分以降を1号細い針として、2目ゴム編みとしたのは、更に足の甲部分と履き口部分のピッタリ感が増すという実感が得られたからという理由です。この点についても、後ほど詳しくご説明させていただきます。

 足長も同じように異なるサイズで編み比べてみたのですが、90%より長いとユルい感じになり、90%より短いとキツい感じとなったので、なるほど結局一般的なサイズが一番なんだなと思っております。

 この「つっちー」の作り方が最後までいった後で、自分の足のサイズに合う編み図の作り方や、つま先部分を左右対称の半円形としたり、途中で糸の色を変えたり、通気性を良くしたりという事についてもご説明させていただきますので、まずはこのブログ通りに最後まで作ってみて下さい。そうすれば、その後はご自分の好きなように作れるようになるはずです。基本的なやり方さえ分かってしまえば、後はいくらでも工夫する事ができます。まずはくつ下を作れるようになってみましょう!