糸を替える
編んでいると、途中で糸が足りなくなる時があります。そうした場合にどうするのか?単に、次の糸で編み始めれば良いだけです。写真と動画では、分かりやすいように糸の色を変えてあります。
① 途中で糸が足りなくなったら、新しい糸を用意して、糸端を右手の小指に掛けます。
② 新しい糸とそれまでの糸を合わせて、軽く右手で持っておきます。
③ そして新しい糸で編みます。これだけです。
④ そして5目ぐらい編んだら、それぞれの糸端を軽く結んでおきます。その後は、そのまま編み進めます。
新しい糸の糸端とそれまでの糸を合わせて軽く右手で持っておくのは、最初の編み目が緩まないようにする事と、編んだ時に新しい糸が抜けないようにするためです。
多分結ばないのが一般的なやり方かと思いますが、軽く結んでおいた方が次の段で同じ部分を編む時にユルユルになりませんし、結んであっても実質的な問題はないというのが、私の個人的な実感です。ただしこれは私個人の実感であるという事をご了承下さい。
糸を替える場合は、編み始めの時に替えるのが一般的なやり方です。替える糸の色を替えると、簡単にボーダー柄にする事ができますし、この後でご説明します「糸しまつ」が端の目立たない所でできる事になります。
しかしながらくつ下の場合には、同じ色の糸であれば、編んでいる途中で替えても問題はありません。特にくつ下であれば、糸しまつが目立つような事はありません。
伏せ止め(伏せ目)
伏せる前の段を編み終わったら、ひっくり返します。ここでは分かりやすいように表編みの段で伏せるやり方でご説明させていただきます。なおウラ編みで伏せる場合には単に編み方がウラ編みとなるだけです。
くつ下をつま先から編む場合には、最後は投稿の16でご紹介させていただきましたCat Bordhiさんがご紹介されていますJeny Staimanさん考案による棒針(輪針)を使った「Jeny’s Surprisingly Stretchy Bind-Off」による伏目で終わりますが、ずっと後の「45. ゲージの取り方」でゲージを取っていただく際に必要な作業となりますので、ご説明させていただきます。
① まず1目めを編みます。
② そして次の目も編みます。そうしたら、
③ 最初に編んだ目を②の目にかぶせます。
これ以降は、「編んで、かぶせる」を繰り返して、最後まで「編んで、かぶせる」を続けます。
④ 最後に残った目に糸を通して、
⑤ 10cm程度残して糸を切ります。
⑥ そして糸を軽く引き締めます。
この伏せ目は、ウラ編みの時も同じです。「編んで、かぶせる」を続けます。
くつ下を編む時にはここでご説明させていただきました「伏せ目」という作業はありません。このやり方で伏せてしまうと、せっかく編んだくつ下が履けなくなってしまいます。くつ下を編む際には、あくまで後ほどご説明させていただきます「ゲージをとる」時だけに必要な作業ですので、その点はご留意いただければと思います。なお、セーターやベストを作る際には、脇から肩にかけて編む際にも必要な作業となります。
伏せ目の編み図記号もご紹介させていただきます。編んだ上の段が伏せられるという感じが分かるかなあと思っております。
糸しまつ
① 糸しまつには、閉じ針を使います。閉じ針は縫い針より先端が丸くなった針です。
② 閉じ針に、伏せ目の最後の糸を通します。
③ 端の部分の糸に、糸を割るようにして針を入れます。
④ そして糸を通します。
⑤ 最後に残った部分の糸を切ります。
これらの作業が、くつ下を編む時に必要な作業になります。
この後のくつ下を編む際にも、これらの作業の一部はなるべくこれまでと同じように動画や写真で詳しくご説明させていただきますが、くつ下を編む際にはもっと細い針と細い糸を使いますので、場合によっては見にくいかもしれません。そのような場合には、これらを改めて振り返ってみていただければと思います。
単に作業だけを説明されても「なんじゃ、こりゃ?」って感じだと思いますが、編み始めてみれば、きっと振り返って「なるほどね~」と思っていただけるのではないかと思います。