2目ゴム編み
2目ゴム編みは、表編みを2回やって、次にウラ編みを2回やる事を繰り返すやり方になります。「2目」があるので当然「1目ゴム編み」というのもありますが、私のくつ下ではゴム編みは2目ゴム編みだけですので、「1目ゴム編み」はここでは省略させていただきます。2目ゴム編みの時の編み図は、下の図のようになります。
くつ下の甲部分と足首の上部分は2目ゴム編みで編む事になります。なぜ2目ゴム編みなのか?それは単に1目ゴム編みと2目ゴム編みの両方で作ってみたら、2目ゴム編みにした方が良かったからという経験則に基づきます。この点につきましては、改めてくつ下のゴム編み部分になった時にコラム的に述べさせていただきます。
下の写真は、2目ゴム編みで30~40段ほど編んだところです。ここから止める作業に入ります。
2目ゴム編みの止め方(Jeny’s Surprisingly Stretchy Bind-Off)
ここでご紹介させていただきますのが、「2. ブログの全体像」でご紹介いたしましたCat Bordhiさんがご紹介されていますJeny Staimanさん考案による棒針(輪針)を使った「Jeny’s Surprisingly Stretchy Bind-Off(ジェニーの驚くほど伸縮性の高い伏せ目)」という伏せ目での止め方になります。まずはリンクよりオリジナルの動画をご覧ください。
なお「2. ブログの全体像」でも申し上げましたが、当ブログにリンクを貼らせていただく事につきましてはCat‘s CreationsのキュレーターであるVal Curtisさんよりご承諾いただいておりますが、その際にCat Bordhiさんの本のコレクションもご紹介いただきましたので、そのリンクも貼らせていただきます。動画と併せてご覧いただければと思います。
くつ下を編む時に、くつ下のつま先から編んで、最後の部分(履き口の部分)での作業になります。ここはある意味、くつ下で最も重要な所です。
履き口がキツいと、特に足首の上部分を長くした場合には履く事ができなくなってしまいます。ここはくつ下を編む時に一番悩んだところですが、編み物の得意な友人にCat Bordhiさんの前記リンクの動画を教えてもらった事で、それまでの悩みが一掃されました。ちょっと説明が長くはなりますが、その点はご容赦ください。
ゴム編みを止める場合には閉じ針(閉じ針については、この後の「糸しまつ」の所で改めてご紹介させていただきます)を使って止めるのが一般的かと思いますが、ここではCat Bordhiさんがご紹介されていますJeny Staimanさん考案による棒針(輪針)を使った「棒針を使った2目ゴム編みの止め方」をご説明させていただきます。
なぜ閉じ針ではなく棒針(輪針)を使った止め方なのかと言うと、
① 閉じ針を使うやり方だと覚えにくい反面、棒針での止め方の方が覚えやすい事、
② 棒針(輪針)を使った止め方の方が「ユルユル」に閉じやすい事、がその理由です。
くつ下の履き口は、編み上がった状態が「ユルユル」に見えるぐらいでないと、履いたり脱いだりしにくくなってしまいます。普段は気づきませんが、くつ下の履き口は相当大きく広がらないと、脱ぎ履きが不自由になります。これは自分でくつ下を作ってみて初めて知った事です。何度か閉じ針を使うやり方と棒針を使うやり方をやり比べてみたのですが、(個人的な結論かもしれませんが)棒針(輪針)を使ったやり方の方が「ユルユル」に止めやすいと思っております。
先ほどリンクを貼らせていただいたCat Bordhiさんの動画でも十分お分かりいただけるとは思いますが、日本語でかつゆっくり作業をした動画も作成しましたので、こちらもご覧いただければと思います。なお以下の動画・写真・説明につきましては、あくまでCat Bordhiさんの動画を補助的により分かりやすくご紹介したいという趣旨であって、Cat BordhiさんやJeny Staimanさんの著作権を侵害する意図はない事を申し添えさせていただきます。
1目めの表編みを止める
① まず最初の目を編む前に、「左手の糸を右針の向こう側から手前側に向かって」掛け目をします。
② 左針の1目目を表編みで編みます。
③ その目に①で掛けた糸をかぶせます。
1目だけは、この後の作業より1つ作業が少ないものとなります。「掛けて、編んで、かぶせる」。ここの部分だけ、この後とは作業が少し異なるものとなります。
この時の注意事項としては、「とにかく左手に掛けてある糸を絶対に引っ張らない」という事です。「ユルく止め」ないと、実際に履く時に履きにくくなってしまいます。
2目めの表編みを止める
2目ゴム編みなので、表編みが2回続きます。
④ もう1回左針の糸を外側にして、右針の内側に向かって掛け目をします。
⑤ そして2目めの表目を表編みします。
⑥ 次に掛けた目を、編んだ2目めにかぶせます。
⑦ 更にもう1つ右針に残った目もかぶせます。
これ以降は、表編み部分を止める時は、2目めを止める時の④から⑦までの作業(「掛けて、編んで、かぶせてかぶせる」)を2回ずつ繰り返す事になります。
1目めのウラ編みを止める
① 次はウラ編み部分になります。まず左手の糸を、手前から向こう側に向かって掛け目をします。
② 次に左針の3目めをウラ編みします。そうしたら、
③ 掛けた目を、右針に編んだ目にかぶせます。
④ そして手前に残った目もかぶせます。
作業としては表目を止める時と同じように、掛け目をする時の方向は逆になりますが「掛けて、編んで、かぶせてかぶせる」という作業となります。
2目めのウラ編みを止める
⑤ 2目ゴム編みなので、もう1回左手の糸を、手前から向こう側に向かって右針に掛けます。
⑥ 次に4目めの裏目を裏編みします。そうしたら、
⑦ 掛けた目を、右針に編んだ目にかぶせます。
⑧ そして手前に残った目もかぶせます。
ウラ編みの1目めを止めた時の作業と全く同じです。
これ以降は、ウラ編みを止める時は、1目めを止めた時の作業(①~④)を2回ずつ繰り返す事になります。
止め始めの最初の1目めを止める時だけは「外から掛けて、編んで、かぶせる」という作業ですが、それ以降の表編み部分を止める時は「外から掛けて、編んで、かぶせてかぶせる」という作業となり、ウラ編み部分を止める時は「手前から掛けて、編んで、かぶせてかぶせる」という作業となります。
止めの最後
⑨ 最後まで止めたら、糸を最後の目に通して、
⑩ 10cm程度残して糸を切ります。
⑪ そして軽く糸を引き締めます。そうしたら、この後でご説明します「糸しまつ」をする事になります。
最初の方でも申し上げましたが、とにかく「ユルユルに止める」のが靴下の履き口の止め方のポイントです。下の左側・右側の写真のように、思い切り広げられるぐらいに「ユルユル」に止めないと、履いたり脱いだりがしにくくなってしまいます。これは色々な止め方をやってみた実感です。
止めた時には市販のくつ下と違って履き口が広がって見えますが、実際に履くと意外に足首(から上)部分は太いため、市販のくつ下を履いた時と同じように見えますのでご安心ください。